コンビニの愛

その日は朝から疲れていました。
眠気を覚ますために
コンビニでコーヒーを買うことにしました。

初めて入るお店でした。

「おはようございます!
 いらっしゃいませ!」

その明るくて優しい声は、
今まで聞いたことのない
不思議な感覚を覚えました。

その女性店員の方は
一人ひとりのお客に対し
丁寧に対応していました。

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(スミマセン 実物はとても可愛らしい女性です)

お客を送り出すときに掛ける言葉には
マニュアルではないものを感じました。
人としての愛があるのです。
優しい人なんでしょうね。

職場に向かう人たちが
元気になるような声を掛けているのです。

「すごいな。」
「かっこいいな。」と思いました。

数日前に、私は先輩から
「生き甲斐とは、自分が好きなことをする
 自己満足ではないよ。
 人の役に立てることなんだ。
 人を喜ばせる仕事をすることだよ。」
という話を聞いていました。

とても難しい事だと思っていました。

店員の方を見ていて
「この女性は、丁寧な姿勢と優しい言葉で
 人を温かい気持ちにさせている。
 コンビニの仕事を通じて
 本物の生き甲斐を実践している。」
と感銘を受けました。

これは伝えたい!
あなたは素晴らしいと!

しかし人見知りが激しい私です。
相手は娘のような若い子です。
言えません。
変なオジサンと
怖がらせてしまってはいけません。

結局、何も言えずに終わりました。

彼女は私に温かい言葉を掛けてくれました。
「ハイ」と言うのが精一杯でした。

後日、レジに並びながら今日こそは言おう!
と思いました。

その時、
「次にお待ちのお客様、こちらにどうぞ」と
隣のレジのおばさんが声を掛けて来ました。

「ハイ」と言うのが精一杯でした。

心の中では
「オイ!」とオバサンに突っ込んでいました。