フルスイング

10月末のこと。
秋季高校野球 
九州地区予選を見に行きました。

一番、面白いのは準々決勝。
この一戦に、
センバツ甲子園出場が掛かってくるからです。

私が応援していたチームは
序盤に3点を失い、
苦しい試合展開となりました。

5回ワンアウト1・2塁のチャンスで、
3番打者に打順が回って来ました。

まず1点!そう願いました。

相手は技巧派の投手。
低めのボールを当てに行ってしまいました。

無念にもピッチャーゴロのゲッツーで
スリーアウトに。

一瞬にしてチャンスは消えました。

その時、スタンドから
「最悪だぁ・・・。」の声が。

高校球児を前に、そんな言葉は
言って欲しくないと思いましたが、
応援に力が入っていた分、
残念で正直な気持ちが出たんでしょう。

試合はそのまま0対3で7回の攻撃に。
スタンドは
重苦しい雰囲気になっていました。

ツーアウト1・2塁。
ここで打席に立ったのは、
再び3番打者でした。

前の打席で「最悪だ」と言われた打撃。
相手投手は調子を落とすことなく
低めにボールを集めています。

自分だったら追い込まれるまでは
甘い球を待つだろう。
次は4番打者が控えているので、
とりあえず「つなぐ」打撃を心掛けるだろうと
思いながら見ていました。

初球でした。

3番打者は前の打席と同じような
低めのボールを
フルスイングですくい上げました。

打球はライトスタンド場外へ消えていきました。

一瞬にして同点となりました。

私は興奮して叫んでいました。

「スゴイ!凄いぞ!すごいフルスイングだ!」

あの状況で初球をフルスイング。
淡々とダイヤモンド(ベース上)を
回る彼を見ながら
底知れぬ感動を覚えていました。

その後、試合には
惜しくも敗れてしまいましたが、
あの3番打者から
「お前もフルスイングをしろよ」と
エールを送られたような気がしました。
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