本:「こどものころにみた空は」

「こどものころにみた空は」

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工藤直子氏の詩集です。

子供のための本と思っていたのですが、
読んでみると
大人のための本と思えました。

誰でも子供の頃に感じたのでは?と
思える出来事や
感覚が綴られています。

水たまりにわざと入って
長ぐつの中がグズグズになったとか。

夏の暑い日に
耳の後ろをつーと流れる静かな汗とか。

スプーンを使って
視力検査のマネをしてみたりとか・・・。

急いでプールに潜ったら
鼻の奥がツンと痛くなったとか・・・。

どこか懐かしい、
忘れる事が「もったいなく」思えるような
少年時代に
タイムスリップ出来るような1冊です。

著者の工藤直子氏は以前、
雑誌のインタビューで、
こんな風にも話していました。

「子供の頃、いつも
 大人になったら分かるよと言われていた。
 だから、
 大人になったら分かるよと
 言うような大人にだけは
 ならないでおこうと思っていた。」

「(高校での講演にて)
 もし私が高校の先生になるんなら、
 自分も高校生だったことを
  忘れないでいる先生になりたい。」

「私たち大人は、
 生まれてすぐ大人になったような
 気持ちになりがちですよね。」

時に応じで
子供の頃に抱いていた感覚を
思い出すことは
意味があることかも知れませんね。